米政府機関のDEI関連部署、60日以内に廃止へ
(CNN) 米連邦政府の各機関に存在する「DEIA(多様性、公平性、包摂性、アクセシビリティー)」及び「環境正義」に関連する部署、職務が60日以内に廃止に向かう見通しであることが分かった。「法律が認める最大限の規模で」廃止を進めるよう求められているという。連邦政府人事管理局の24日付けの文書で明らかになった。
文書によれば各機関は、今後どのように「人員削減」を実施するかを示した計画を今月31日までに提出しなくてはならない。ただ「DEIA関連部署職員への解雇通知の発行は今すぐ開始できるし、そうするべきだ」と強調している。
今回の措置は、トランプ政権が進めるより広範なDEI締め付けの一環だ。トランプ大統領は既に、DEIプログラムを禁止する大統領令に署名。ホワイトハウスも連邦政府のDEI関連職員に行政休暇を取得させるよう通知している。
主要な政府機関におけるDEI絡みのプログラムの事例には、保健福祉省傘下の雇用機会均等・多様性・包摂性局や、国防総省傘下の公民権・機会均等政策局などが含まれる。
連邦政府職員の労働組合、米国行政府職員連合(AFGE)は、DEIA関連部署を閉鎖するトランプ氏の計画に反発。当該の措置は連邦政府職員を削減するより大規模な計画の一部だと主張している。AFGEはこのほど声明を出し、「突き詰めればDEIAに対するこうした攻撃は、公務員を解雇するための目くらましでしかない。政治と無関係の官公庁を弱体化し、連邦政府を大統領のみに忠実なイエスマンの集団に変えるためのものだ」と糾弾した。
バイデン前大統領は政府機関でのDEI施策を拡大し、妊娠中の人々や地方に配属された軍人の配偶者、介護者を含む幅広い層に対象を広げる複数の大統領令に署名していた。
DEIプログラムに反対する人々は、それらが差別的だと訴える。人種差別の解決を図る中で他の集団、とりわけ白人が不利益を被る構図になっているという主張だ。これに対しプログラムの支持者や業界の専門家は、数十年続く取り組みがここへきて政治化し、大幅に誤解されていると指摘している。