被災者支援に貢献のラバと馬、車にはねられ死ぬ 米ノースカロライナ州
(CNN) 昨年の大型ハリケーンで被災した山間部の集落への支援物資配送に貢献したラバ2頭と馬1頭が、米ノースカロライナ州で車にはねられて命を落とした。
ラバ牧場のフェイスブックによると、牧場のフェンスの上に木が倒れ、隙間から抜け出した「ベイダー」「ケブ」「アミーゴ」の3頭が、道路でセミトラックにはねられた。
昨年9月にハリケーン「ヘリーン」が米国を襲った際は、ラバたちが険しい山道や岩だらけの山腹を抜けて被災地に水や建築資材などの支援物資を届け、ノースカロライナ州西部からテネシー州東部に至るまで、救援物資の配送に貢献した。
ラバたちの貢献は、ハリケーン被災地の住民の心を一つにする役に立ったと同牧場のミシェル・トベラー共同創設者は振り返る。アパラチア地方の被災地では、特に車両では到達できない地域の救援活動に、ラバが大きな役割を果たしたという。
へリーンは米東海岸のフロリダ州からノースカロライナ州にかけての一帯に壊滅的な洪水や暴風、停電などの被害を引き起こした。

被災したノースカロライナ州の住民に向けて支援物資を運ぶラバ/Mountain Mule Packer Ranch
同牧場は11月に災害対策支援の非営利団体を設立し、今も被災地支援を続けている。
「ラバが届けたのは単なる支援だけではなかった。自分たちは忘れられてしまったと感じる住民があまりに多かったことから、彼らは人々に希望をもたらした」とトベラー氏は言う。
同団体は今後もラバを使った支援活動を続ける意向。同州ブラックマウンテンで配給イベントを実施するなど、ヘリーンの影響が続く被災地を支え続ける。