旅客機があわや衝突、自家用機が許可なく滑走路に進入 米シカゴ
航空機が着陸中止、滑走路進入のプライベート機と異常接近 米シカゴ
(CNN) 米シカゴの空港で25日、サウスウェスト航空の旅客機と許可なく滑走路に進入した自家用機の異常接近があった。米連邦航空局(FAA)や同航空が明らかにした。
サウスウェスト航空2504便は衝突回避のためにゴーアラウンド(着陸やり直し)を強いられ、その後無事に同空港に着陸した。
異常接近は現地時間の午前8時50分ごろ、シカゴのミッドウェー国際空港で発生。FAAと国家運輸安全委員会(NTSB)が調査を行っている。
米国では1月下旬に首都ワシントン近郊で旅客機とヘリコプターが空中衝突するなど、ここ数週間の間に航空機事故が相次いでいる。
航空機追跡サイトの「FlightRadar24」によると、25日の異常接近は、ネブラスカ州オマハから到着したサウスウェスト機と、テネシー州ノックスビルへ向けて出発予定だった自家用機(ボンバルディア・チャレンジャー350)の間で発生した。
航空管制傍受サイト「LiveATC.net」によれば、管制官は自家用機に対し、「滑走路4Lを左折し、滑走路31Lを横断し、滑走路31Cの手前で待機」と指示していた。
自家用機のパイロットは「了解。2、あー、4Lを左、22、ではなく13Cを横断、フレックスジェット560」と応答。
管制官は即座に「フレックスジェット560、違う! 31Lを横断し、滑走路31Cの手前で待機せよ」と告げていた。
管制塔の音声は、サウスウェスト機が滑走路に侵入した自家用機を回避するためゴーアラウンドを実行した瞬間も記録している。
管制官は「ウェスト2504、了解。上昇、3000を維持」と応じた。
サウスウェスト機は高度3000フィート(約900メートル)に到達すると、管制塔に「なぜあんなことに?」と説明を求めていた。
サウスウェスト航空はCNNに寄せた声明で「乗員が安全手順に従い、同便は無事に着陸した」と説明している。
滑走路に進入した自家用機を運航していたフレックスジェット社は、今回の事案については認識しているとしたうえで、「当時の状況についてさらなる情報の収集に努めている」とした。同社のウェブサイトに掲載された情報によると、同機は最大で9人が搭乗できる。
FlightRadar24によると、両機が最大2050フィート(約625メートル)まで接近したところでサウスウェスト機がゴーアラウンドを開始。同機は気圧高度900フィート(気圧と高度を調整後の地上高約250フィート)で自家用機の上空を通過した。
2023年1月から24年9月にかけ、NTSBは商用機や自家用機の滑走路侵入事案13件について調査していた。