民主党支持率が過去最低の水準に、共和党への融和姿勢に支持層は不満 CNN世論調査

米民主党の支持率が過去最低水準に CNN世論調査

(CNN) 米国の野党・民主党に対する支持率が過去最低の水準にまで落ち込んでいることがわかった。調査会社SSRSが実施したCNNの世論調査で明らかになった。支持率低下の一因は、民主党支持層がトランプ大統領や共和党への対応に不満を抱いていることにある。

民主党員や民主党寄りの無党派層の多くが、民主党指導部はトランプ氏や共和党への対決姿勢をより強く打ち出すべきだと考えている。このうち共和党の政策を阻止する取り組みを行うべきだと答えた人の割合は57%にのぼった。共和党と協力して民主党の考えを法案に盛り込むべきだと答えた人の割合は42%だった。

今回の世論調査は、民主党の上院議員10人が政府機関閉鎖の回避に向けて、下院共和党がまとめたつなぎ予算案に賛成する前に行われた。賛成した民主党上院議員の中には民主党上院トップのシューマー院内総務も含まれていたが、こうした対応には民主党議員の多くや進歩派の批評家からは不満の声が出ている。

支持者の多くが共和党との対決を求めているのは、第1次トランプ政権以降の党の姿勢の大きな変化を示している。2017年9月に行われた世論調査では、民主党員と民主党寄りの無党派層のうち74%が党の優先課題を進めるために共和党と協力すべきだと回答していた。対決姿勢を求めた人の割合は23%に過ぎなかった。

民主党支持層のうち52%が現在の指導部は民主党を誤った方向に導いていると考えていた。これも8年前とは違っており、当時の世論調査では支持層の多くが指導部に対して肯定的な見方をしていた。

米国民全体でみれば民主党の支持率は29%だった。これは1992年までさかのぼるCNNの世論調査で過去最低の水準。連邦議会議事堂襲撃事件が起こった第1次トランプ政権末期の2021年1月の世論調査からは支持率が20ポイント下落した。共和党に対する支持率は36%だった。

こうした支持率の落ち込みの一因は、民主党支持層の中で不満が高まっているためだ。民主党員と民主党寄りの無党派層のうち民主党に好意的な見方をしている人の割合はわずか63%。1月の72%から下がったほか、バイデン前政権の開始時の81%からも落ち込んだ。

支持率の落ち込みはリベラル派と穏健派に及んでおり、21年初めからは18ポイント下落した。

対照的に、共和党員と共和党寄りの無党派層のうち現在の共和党に対して肯定的な見方をしている人の割合は79%にのぼる。無党派層は全体的に両党に対して否定的な見方をしており、民主党を好意的に見ている人の割合は19%、共和党を好意的に見ている人の割合は20%だった。

民主党と共和党はいずれも、国民の約半分から、主流というよりは極端すぎる考えや政策を持っているとみられている。これは22年からの変化だ。当時は米国人の56%が民主党について主流とみなしていた。共和党に対する見方は当時から実質的に変化はない。

今回の世論調査は3月6~9日に米国の成人1206人を無作為に抽出して実施した。調査はオンラインか電話で行われ調査員が直接インタビューを行った。全体の結果の誤差の範囲はプラスマイナス3.3ポイント。民主党員と民主党寄りの無党派層の結果の誤差の範囲はプラスマイナス5.0ポイント。

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