トランプ米政権、食品流通網から人工着色料排除の計画発表へ

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トランプ米政権が、石油由来の合成着色料を食品供給網から排除する方針だという/karandaev/iStockphoto/Getty Images

トランプ米政権が、石油由来の合成着色料を食品供給網から排除する方針だという/karandaev/iStockphoto/Getty Images

(CNN) 米保健福祉省は21日、トランプ政権が全米の食品供給網から人工着色料を排除する措置を講じる計画だと発表した。詳細については同省のロバート・F・ケネディ・ジュニア長官と食品医薬品局(FDA)のマーティ・マカリー長官が22日に記者会見して発表するとしている。

FDAはトランプ大統領就任前の今年1月、人工着色料の赤色3号を食品や飲料および経口医薬品に使用することを禁じると発表した。赤色3号は30年以上前から動物のがんとの関係が指摘されていた。

トランプ政権は、食品を色鮮やかに見せる目的で使用される石油由来の合成着色料に対し、さらなる規制強化に乗り出す方針と思われる。

ケネディ長官は今年3月、ウェストバージニア州のパトリック・モリッシー知事が成立させた特定の合成着色料を禁止する法律に支持を表明していた。合成着色料は子どもの学習問題や問題行動との関係が指摘されており、ケネディ氏も公然と批判。同州はいち早く全面的な禁止に踏み切った。

環境衛生問題を専門とする非営利組織によると、米国では半分以上の州が、共和党、民主党を問わず、食の安全強化に向けて人工着色料の規制を推進している。

トランプ大統領は「Make America Healthy Again(MAHA、米国を再び健康に)」のスローガンを掲げて委員会の設置を命じる大統領令を出している。同令では人工着色料には言及していないものの、共和党議員の中には自らの提案にMAHAを盛り込む議員もいる。

これに対して業界団体は、州ごとの継ぎはぎ規制ではなく、全米で一貫した基準を求めている。

製菓業界団体は3月、食品安全規制についてはFDAの主導で決定すべきだと強調していた。

人工着色料については以前から、政府も研究者も非営利組織も懸念を表明している。

赤色3号、赤色40号、青色2号、緑色3号はいずれも動物のがんや腫瘍(しゅよう)との関係が指摘されている。赤色40号、黄色5号、黄色6号には発がん物質が含まれるという指摘もある。

青色1号と黄色6号は人の細胞にとって有害な可能性もある。黄色5号はわずか1ミリグラムでも、敏感な子どものイライラや落ち着きのなさ、睡眠障害の原因となり得る。

専門家はこれまで、研究予算の不足や米政府が着色料に対して最低限の措置しか講じないことに対して批判を強めていた。

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