子どものはしか予防接種、減少続けば25年で数百万人が感染の可能性 米研究
(CNN) 米国ではしかの予防接種を受ける子どもが減り続けた場合、今後25年で症例数が5100万例に達する可能性があるとする研究結果が24日の医学誌JAMAに発表された。
はしかは特定の地域や集団で定期的に発生するエンデミックが続いている国もある。米国の場合は3種混合ワクチンの効果で、2000年にはしかの根絶を宣言した。
しかし州の保健当局や米疾病対策センター(CDC)のデータをCNNが集計したところ、今年に入って報告されたはしかの症例は900例近くに上り、半分以上の州で症例が確認されていた。症例のほとんどは、ワクチン未接種の人口が多いテキサス州西部の流行と関係していた。
スタンフォード大学などの研究チームは04~23年のデータをもとに、予防接種率に応じた感染拡大状況を予測した。現在の予防接種率は各州で87.7%~95.6%と推定している。
はしかは感染力が強いことから、流行を防ぐには集団の95%以上が2回の3種混合ワクチン接種を受けるしかないと専門家は指摘する。この接種率は10年間維持されてきたが、コロナ禍で接種率が低下したまま現在も回復せず、23~24年度の幼稚園児の接種率はCDCの統計で92.7%だった。
現在のままの接種率が続いた場合、米国で25年以内にはしかのエンデミックが起きると研究チームは予測する。接種率が10%減少した場合、25年で症例数は1110万例になり、子どもの定期接種が50%落ち込んだ場合は5120万例になると推定している。
一方、接種率が増加に転じて3種混合ワクチンの接種を受ける人が5%増えれば、症例数は5800例にとどまるとした。