欧州に強い寒波 空港閉鎖など相次ぐ
(CNN) 北アイルランドからブルガリアまで、欧州の広い範囲が強い寒波に見舞われ、吹雪や積雪で空港が閉鎖されるなど、クリスマスを前に各地で影響が出ている。
ロンドンのヒースロー、ガトウィック両空港では18日午後、全滑走路が閉鎖され、ブリティッシュ・エアウェイズの国内、欧州便などがすべてキャンセルされた。空港周辺の道路も閉鎖された。
アムステルダム、ジュネーブ、ミュンヘン、パリ、コペンハーゲンなど各地の主要都市でも空の便の遅れや欠航が相次いでいる。アムステルダムのスキポール空港では17日、250便が欠航し、乗客数千人が立ち往生した。フランクフルト空港でも18日、約240便が欠航となった。
北アイルランドでは17日夜、過去25年間で最悪とされる大雪を受けて緊急警報が発令された。警察は市民らに車の運転を控え、外出を極力避けるよう呼び掛けている。
ブルガリア東部では3日前からの雪が1メートル近く積もった地域もあり、主要道路や空港、港が閉鎖された。一部で水道や電気の供給が止まっている。ベルギーでは道路の凍結により、7トンを超えるトラックの走行が禁止された。イタリアのANSA通信は、この寒波で2人の死者が出たと伝えた。トラック運転手が交通事故で、家の前で雪かきをしていた男性が心臓発作でそれぞれ死亡したという。
気象専門家によると、この寒波は北極圏から寒気が流れ込んだことが原因。寒気は18日夜から19日にかけてフランス、ドイツを通過し、英国では今後さらに20センチの積雪が予想されるなど、週明けまで続くとみられる。