キリスト教徒の11歳少女を「コーラン焼却」で拘束 パキスタン
(CNN) パキスタンの首都イスラマバードで、キリスト教徒の少女(11)がイスラム教の聖典「コーラン」を焼却したとして拘束された。
大統領府が21日までに発表したところによると、少女が調理のための燃料としてコーランを焼いたと、地元住民から通報があった。
地元メディアはこの少女がダウン症だと伝えたが、CNNは確認していない。現地の警察責任者はこの情報を否定したうえで、少女に精神的な疾患はないが、学校教育を受けていないため文字が読めないと指摘。焼却した紙の中にコーランのページが含まれていることを、本人はまったく認識していなかったと述べた。
同責任者によると、この地域のキリスト教徒居住区には17日、約150人の群衆が集まり、家屋に放火するなどと脅した。報復を恐れて避難した家族もあるという。
ザルダリ大統領はこの件について緊急報告を求めたと述べ、反冒とく法の乱用は避けるべきとの立場を示した。
パキスタンでは同法に基づき、イスラム教やコーラン、預言者ムハンマドを冒とくした者に最大で死刑が科される。人権団体などからは、同法が宗教的少数派の迫害に使われているとの批判が集中している。