中国の裁判は仕組まれたショーのよう 薄氏妻の英国人殺害事件
谷被告は、中国の法律に基づき汚職裁判に経験を持つ弁護士を雇おうとしたようだが、政府に拒否され、刑法の知識があるのかも分からない地元の弁護士に依頼するしかなかった。
中国の法律は、一般的には裁判の公開を求めており、今回の訴訟も公式には「公開裁判」とされている。しかし、傍聴人は慎重に選ばれており、公開裁判だとは全く言えないだろう。
この裁判から得られる教訓は2つある。1つ目は、中国の司法制度は、有力政治家が介入した場合には、政治に直接的に従属するという状況に変化は無いということだ。
2つ目は、この司法制度の現状が、中国社会に広く蔓延(まんえん)しているように見えるシニカルな雰囲気を引き起こしているということだ。中国の司法制度についてほとんど知識を持ち合わせていないような人でも、今回の裁判の結果として何か重要なことが決定されるなどと考えることはないだろう。
中国の司法制度における根本的な変化の兆候を待ち望んでいた人たちは、これからも待ち続けるしかないようだ。