「コーラン焼却」で拘束のキリスト教徒の少女を保釈 パキスタン
イスラマバード(CNN) パキスタンの首都イスラマバード郊外に住むキリスト教徒の少女が、イスラム教の聖典「コーラン」を焼却したとして拘束されていた問題で、同国当局は8日、この少女を保釈した。
少女はリムシャさん(14)。北東部ラワルピンディの刑務所から装甲人員輸送車に乗せられ、さらにヘリコプターで非公開の場所へ運ばれた。少女の顔は緑色の布で覆われていたが、ヘリの風で布が一瞬舞い上がると、悲しみと恐怖に満ちた表情がのぞいた。
家族の代理人によれば、リムシャさんの父親が刑務所を訪れると、リムシャさんは父親に抱きついて泣き出し、「何が起きているの、どうして」と尋ねた。父親とは拘束以来、会っていなかったという。
同代理人によると、カナダやイタリア、米国など複数の国が、リムシャさんと家族の受け入れを申し出たが、一家は国内にとどまることを望んでいる。
保釈は裁判所が7日に決定していた。リムシャさんの弁護士は法廷で、リムシャさんに知的発達の遅れがあり、罪の意識はなかったとの主張を展開。地元イスラム教指導者のわなにかけられたと述べた。これに対して指導者側の弁護士は、少女の年齢にかかわらずコーラン焼却の罪を問うべきだと主張していた。