カイロの米大使館をデモ隊が襲撃 「映画が預言者を冒とく」
カイロ(CNN) カイロの米大使館が11日、デモ隊に襲撃され、星条旗が破り取られた。デモ隊は「イスラム教の預言者ムハンマドを冒とくした映画」に抗議したとみられるが、どの映画を指すのかは明らかでない。
現場にいたCNN関係者によると、大使館周辺に多数の人々が集まるなか、威嚇射撃の音が響いた。だれが発砲したのかは不明だという。エジプト警察と軍が出動し対応に当たっている。
敷地内に乱入した一団は、はしごに上り「アラーのほかに神はなし」などと書かれた黒い旗を掲げた。デモ参加者らは切り裂いた星条旗をテレビ取材班に向かってかざし、反米スローガンを叫んだ。
大使館職員がCNNに語ったところによると、この日、外交官らはデモに備えて退避していた。
デモ主催者として、イスラム厳格派サラフィ主義の指導者ら複数の人物が名乗り出ている。国際テロ組織アルカイダ指導者アイマン・ザワヒリ容疑者の弟、モハメド・ザワヒリ氏は「キリスト教の法王やリンカーン(米元大統領)が映画で侮辱されたら、米国人はどう思うか」と問いかけ、「映画は預言者を非常に醜く描いている」と非難した。
米大使館は米国人に大使館前でのデモなどを避けるよう警告した。