ソマリア大統領にモハムド氏選出、21年ぶりの安定政府樹立へ
(CNN) ソマリアの議会は10日、新大統領にハッサン・シェイク・モハムド氏を選出した。1991年に内戦に陥った同国にとって、21年ぶりとなる安定した正式政府の発足へ向けた重要な一歩となる。
モハムド氏は国連などの国際機関職員や大学教授の経歴を持つ一方、政治的経験はほとんどない。暫定政府のアフメド大統領など二十数人の候補を抑えて選出された。大統領の任期は4年。
国連のソマリア担当特使オーガスティン・マヒガ氏は「ソマリア国民は平和と繁栄に向けた大きな1歩を踏み出した」との談話を発表した。
同国では21年前に当時実権を握っていたバーレ政権が崩壊して以来、部族や武装勢力の対立による内戦が続いていた。
首都モガディシオでも軍と武装勢力が日常的に銃撃戦を展開し、大量の国民が周辺国に脱出して難民となっている。以前は選挙も隣国のジブチやケニアで実施され、議員は治安上の理由から周辺国で会合を重ねてきた。新指導者が国内で選出されたのは内戦開始以降、今回が初めてだという。
これまでの数週間で暫定憲法が採択され、議会が発足して議長も任命された。国際テロ組織アルカイダ系のイスラム武装勢力シャバブはモガディシオから一掃され、首都は平穏を取り戻しつつある。しかし国内の多くの地域がまだ武装勢力の支配下にあり、海賊も横行するなど、課題は山積している。