仏誌がムハンマド「風刺画」掲載、イスラム教国さらに刺激か
パリ(CNN) イスラム教の預言者ムハンマドを中傷したとされる米国映画が中東諸国などで反米デモを引き起こしているなかで、フランスの風刺漫画誌「シャルリー・エブド」が19日、ムハンマドをほうふつさせる人物の画像を掲載した。
風刺画にはムハンマドとの直接の言及はないが、男性の裸の後ろ姿がムハンマドと受け止められる複数の画像がある。イスラム教では預言者の偶像化は不敬行為と位置付けられている。
同誌の編集責任者は19日、この時期の掲載について「火に油を注ぐ考えはなく、ニュースを風刺的な側面から扱う表現の自由に基づいた」と説明。フランスのCNN系列局に対し「今週のニュースはムハンマドと不愉快な映画だった」とし、冷笑の対象は映画であると語った。
ただ、今回の掲載はフランスのイスラム教社会から注目を集めるための宣伝行為との批判が既に出ており、余波が今後も続く可能性がある。フランスに住むイスラム教徒は推定470万人で、西欧では最多規模。シャルリー・エブド誌の風刺画掲載に伴って暴力事件が発生したとの報告は現段階でない。
同誌の記者の1人は怒りや暴力を扇動する意図はなく、狙いは笑いだと強調。「全ての過激主義者を笑い飛ばしたい。それはイスラム教、ユダヤ教、カトリックなどの各教徒であるかもしれない。極端な言葉や行動を我々は受け入れない」と述べた。その上で、この編集方針は権利の行使であり、読者の反応には責任が持てないとも語った。