ペルシャ湾で30カ国以上が大規模掃海演習、イランけん制か
(CNN) 米国防総省は22日までに、中東ペルシャ湾のバーレーン沖合で30カ国以上が参加する大規模な掃海演習が開始されたと発表した。約2週間続く予定で、艦船、航空機や海中で機雷処理に当たる潜水チームなどが動員されている。
演習では、遠隔操作で移動させ、機雷処理などに当たる無人の潜水装置の本格実験も実施する予定。
国防総省当局者は、演習はあくまで自衛を想定したものと強調。核開発問題などで欧米と厳しく対立するイランをけん制する狙いもあるとみられるが、同国を不要に刺激することを避ける慎重姿勢も見せている。
イランは核開発問題に絡んで欧米の経済制裁を受けペルシャ湾のホルムズ海峡封鎖も威嚇し、ペルシャ湾での緊張状態は今なお続いている。米国やイスラエルではイランの核兵器開発を懸念し、先制攻撃の是非をめぐる議論がくすぶっている。
米海軍高官は今回の演習に当たり、米軍はホルムズ海峡の自由な航行の確保とイランとの偶発的な衝突の回避でバランスを図ることに腐心しているとも述べた。
ペルシャ湾とインド洋を結ぶホルムズ海峡は石油や天然ガスの国際海上輸送の大動脈で、1日当たり500隻以上の船舶が通過している。
演習に加わる30カ国以上のうち3分の2の国がイランへの配慮などからか、演習への参加を伏せることを望んでいる。また、演習に艦船を派遣したのは6カ国のみとなっている。