少女の「コーラン焼却」問題、少年裁判所へ移管 パキスタン
ハサン氏によれば、反冒とく法は当初、宗教間の平和を維持する目的で導入された。しかし1980年代半ば以降、軍事政権が冒とくを死刑に値する罪とする修正案を導入し、宗教的少数派や女性、子ども、貧困層を弾圧する道具として使い始めた。86年以降、冒とく罪絡みの事件は1400件に上り、裁判中に52人の被告が死亡。現在15人の死刑囚がいる。
被告が地域住民に攻撃されたり、殺害されたりするケースも後を絶たない。リムシャさんは拘束当日、近隣の住民から怒りの声を浴びせられた。担当弁護士によれば、リムシャさんに片思いをした近所の男性が、腹いせのために騒ぎを起こした可能性もある。
少年裁判所への移管は明るい兆しと考えられるものの、リムシャさんの苦難が終わるわけではない。裁判所や警察がどのような見解を示そうと、告発されたこと自体によってリムシャさんは生命の危険にさらされ、その危険は今後も続く恐れがあると、ハサン氏は警告している。