国連総会開幕 オバマ大統領らがシリア、イランに警告
国連本部(CNN) 米ニューヨークで25日に開幕した国連総会は、シリア内戦やイランの核問題が議題の中心となっている。オバマ大統領は演説で、イランに「時間が無限にあるわけではない」と警告した。
一般討論の冒頭演説に立った国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、過去1年半にわたるシリアの危機を「世界中に影響を及ぼす災難」と呼び、国際社会の対応を促した。同国では主としてアサド政権側による「残酷な人権侵害」が続いていると指摘する一方、反政府派の暴力にも言及した。
中東和平については、パレスチナ国家とイスラエルの「二国家共存」が唯一の永続的解決策だとする立場を改めて示した。潘氏はまた、世界の経済格差や気候変動、貧困問題などにも触れ、「人類の進む方向」に対して警鐘を鳴らした。
オバマ大統領はイランの核問題を巡り、外交解決を求める立場に変わりはないとしたうえで、時間は限られていると警告。米国はイランの核武装を阻止するために「なすべきことを実行する」と言明した。中東和平では同氏も、二国家共存構想への支持を表明した。
大統領選を控えたオバマ氏の演説には、米国内の有権者らに自身の外交手腕を示す目的もあった。イスラム圏で拡大する反米デモについては、中東の民主化運動で独裁政権が倒れた後の混乱が背景にあるとの見方を示し、「民主化への道は選挙実施で終わるわけではないことを思い知らされる」と述べた。
フランスのオランド大統領はシリアの「差し迫った」情勢に懸念を示し、同国に新政権が誕生すればただちに承認すると表明した。オランド氏はさらに、干ばつや飢餓、武装勢力の暴力に直面するアフリカ・サハラ砂漠南縁のサヘル地域の窮状を訴えた。
ヨルダンのアブドラ国王は、隣国シリアから同国へ推定20万人の難民が流れ込んでいると指摘。冬の到来を前に、国際社会からの支援が不可欠だと訴えた。