フィリピン政府と反政府武装勢力が枠組み合意 南部の和平に道筋
(CNN) フィリピンのアキノ大統領は7日、同国南部ミンダナオ島で独立闘争を続けてきた反政府武装勢力モロ・イスラム解放戦線(MILF)との間で「枠組み合意」が成立したと発表した。
枠組み合意は政府とMILFの15年に及ぶ交渉を経て実現した。イスラム教徒が統治する新たな自治区「バンサモロ」を、アキノ大統領の任期が切れる2016年までに設置するという内容だという。
アキノ大統領は合意について「ミンダナオ島の恒久的な和平に道筋を付けるもの」と評価、「分離独立を求めていた全グループが参加する。MILFはもはや分離独立を要求しない」と述べた。
同合意では南部の政治体制や経済などの問題にも触れ、「ライフル銃を持っていた人々が、土地を耕し、農産物を売るようになり、他の市民に機会を拓くことにもなる」(アキノ大統領)としている。
MILFのメンバーは推定1万2000人。数十年に及んだ闘争の犠牲者は数万人に上る。
ヘイグ英外相とクリントン米国務長官は、それぞれ今回の合意を歓迎する声明を発表した。