トルコ刑務所のハンスト 開始から52日が経過
イスタンブール(CNN) トルコ政府は2日、トルコ国内の少なくとも67の刑務所に収容されている少なくとも682人の受刑者がハンガーストライキを行っていると発表した。
トルコ司法省は、今のところ重体の者はいないとしているが、複数の拘置施設を視察した野党共和人民党で医師でもあるアチシ氏によると、ハンストに参加する多くの受刑者が基本的な脳機能を失い始め、飢餓の兆候を見せているという。
これに対しトルコ司法省は、政府の医師らが毎日ハンスト参加者の健康をチェックしており、彼らには定期的に塩、蜂蜜、レモン、砂糖、ビタミン剤が与えられているとしている。
参加者のうち最も体重が減った者で8キロ減としているが、体重測定を拒否している者もおり、全員の体重の把握は不可能という。
ハンストは1カ月以上前に始まり、徐々に全国の刑務所に広がった。
ハンスト参加者は、全員ではないが、大半がクルド人だ。クルド系住民の利益を代表する平和民主党の関係者によると、ハンスト参加者が要求しているのは、教育や司法の場でクルド語の使用を認めることと、クルド労働者党(PKK)の創設者であるアブドラ・オジャラン氏の独房監禁の中止と最終的な釈放の2点だという。
PKKは、過去30年間、トルコに対してゲリラ戦を行い、米国、欧州連合(EU)からテロ組織と認識されている。
今回のハンストの背景には、PKKの暴力が確実に悪化していることが挙げられる。非営利の紛争仲裁機関、国際危機グループが9月に出した報告書によると、PKKの暴力で、過去14カ月間に700人以上が死亡しているという。