サウジ政府が女性の出国を監視 反発強まる
(CNN) 女性が車の運転を禁止されるなど権利を制限されているサウジアラビアで、女性の出国を電子的に監視するシステムが強化され、国内の女性が反発を強めている。
この問題が表面化したのは、運転禁止反対運動などを展開してきた同国の女性運動家、マナル・シャリフさんが短文投稿サイトのツイッターで、知人の夫婦の話を紹介したことがきっかけだった。
シャリフさんによると、この夫婦は一緒に旅行していたにもかかわらず、妻がサウジアラビアから出国したことを知らせるメールが夫に届いた。しかも、夫はそのようなメールの受信は申し込んでいなかったという。
サウジアラビアの制度では、すべての女性が父親や夫や男性の兄弟の保護下に置かれ、男性の保護者の許可がなければ女性の出国は許可されない。
問題のシステムは内務省が電子政府プロジェクトを推進する一環として2010年に導入。男性の保護者が申し込むと、妻や子供などの扶養家族が出国した場合にメールで通知を受け取れる仕組みになっていた。通知は 扶養家族のパスポートが読み取られ国境を越えた時点で送信される。
ただ、これまでは男性の保護者がサービスの利用を申し込まない限り、通知メールが届くことはなかった。ところが先週から、保護者が申し込まなくても通知が届くようになったといい、シャリフさんは「女性がいまだに未成年として扱われていることを示すもの」と憤っている。