パキスタン最高裁が首相逮捕を命令 電力事業巡る汚職で
イスラマバード(CNN) パキスタン最高裁は15日、アシュラフ首相が水利・電力相時代に汚職に関与したとして、同首相の逮捕を当局に命じた。
最高裁によると、首相は当時、電力事業を巡って民間会社から賄賂を受け取った疑い。逮捕命令に対して側近の1人は、民主政権に対する「ソフト・クーデター」だと強い反発を示した。マリク内相は、逮捕命令を受けてもアシュラフ氏が首相であることに変わりはないと主張した。
最高裁は近年、政権との対立を深めている。ギラニ前首相も昨年、汚職事件を巡る法廷侮辱罪に問われ、辞任に追い込まれた。
首都イスラマバードでは、国会議事堂前に集まった反政府デモの参加者らがこの知らせを歓迎し、「最高裁万歳」などと唱えた。デモを主導するイスラム聖職者カドリ師は政府に対し、同日朝までに退陣して暫定政権を発足させるよう要求していた。
ザルダリ大統領が率いる与党パキスタン人民党(PPP)の幹部は、最高裁の命令はカドリ師らの運動と連携した「陰謀」だと非難している。