悪名高い「労働教養制度」、改革は本当に進むのか 中国
政治改革を求める声が高まり、共産党政府の正当性が揺らぐ中で新指導部が就任したため、習近平(シーチンピン)総書記は繰り返し「改革の深化」を宣言している。同時に、地方政府の役人が、一般大衆の正義を求める声や政府批判を封じるために労働教養制度を濫用(らんよう)しているとの不満も高まっている。
同制度の下で権力を振るってきた公安部の政治的影響力は新指導部の下では低下しているように見えるが、習総書記が制度改革に踏み切るのかは不透明だ。
2012年8月には、4つの都市における試験的な労働教養制度改革が発表された。しかし、制度名が「教育と矯正」に変えられたのと、警察による同制度適用に多少の制約が加えられたことが分かっているだけで、結局、現行制度の微修正に終わる可能性もある。
最近の中国内外における労働教養制度を巡る議論は、2003年の「収容遣送制度」を巡る議論の繰り返しのようだ。
同制度は、中国の戸籍制度「戸口」により公式に認められた居住地以外に住む人々を行政組織が拘禁するものだったが、制度の濫用が頻発し信頼を失った結果、廃止された。