労働や性行為を強いるカルト教団摘発、外国人ら17人拘束 メキシコ
(CNN) メキシコの移民当局は30日、米国との国境に近い同国北部ヌエボラレドで、人々を誘拐して労働や性行為などを強制していたとしてカルト教団を摘発し、外国人14人とメキシコ人3人を拘束したと発表した。
摘発を受けたのは「キリストの守護者」と名乗る教団。拘束された外国人はスペイン人6人、ブラジル人とボリビア人、ベネズエラ人が各2人、アルゼンチン人とエクアドル人が各1人だった。司法当局によれば、拘束者の一部は国外退去処分の手続きが行われているという。
当局は拘束した教団関係者のうち、ベネズエラ人の容疑者がリーダーであると発表。教団のサイトによれば、その男はキリスト復活の「使徒」であると位置づけられている。
一方で、教団は、リーダーとは別の男が「キリストの生まれ変わり」であると設定。カルト被害者の支援団体でコーディネーターを務めるミルナ・ガルシア氏によると、キリストの生まれ変わりとされる人物は「人々の心を操る危険な存在」であり、「信者たちを言いくるめて、自らの経済的、性的要求を満たすよう行動させた」という。
教団は被害者に対して、働かなければ食事を与えないと脅して、給料も払わずに労働を強制していたという。女性は暴力を受けたり、男性との性行為や売春を強いられたりすることもあったとガルシア氏は指摘する。
その結果、被害者の多くは自殺願望を抱いたり、家族や子どもとの連絡を絶ったという。
ガルシア氏の団体が最初にこの教団に対する苦情を受け取ったのは2011年12月。昨年2月には告発に踏み切った。教団は宗教団体としての届け出をしていなかった。