英、下院で同性婚合法化の法案可決 一部で反発も根強く
ロンドン(CNN) 英下院は5日、イングランドとウェールズで同性同士の結婚を合法化する法案を賛成400、反対175の賛成多数で可決した。与党・保守党内ではキャメロン首相や主要閣僚らが合法化への支持を呼び掛けたのに対し、強硬派の議員らが反対に回った。
英国国教会などが反対の姿勢を鮮明にしているほか、今後さらに上院での採決が必要となるなど、法案の成立には、まだいくつものハードルが待ち受けている。
下院の採決に先立ち、オズボーン財務相とヘイグ外相、メイ内相が連名で、法案可決は「時宜を得た適切な行動だ」とする議員あての書簡を出していた。
書簡は「結婚制度は時代とともに進化し、同性愛者に対する見方も変化している」「同性婚を認めることで結婚制度は弱体化せず、むしろ強化される。保守党員なのに、ではなく保守党員だからこそ、同性婚を支持すべきだ」と呼び掛けていた。
一方、保守党の強硬派議員らは3日、首相への書簡で、党内や国民の間で十分な議論が尽くされていないと指摘。結婚の定義を変えることによる社会全体への影響が懸念されると反論していた。
法案は宗教団体が同性婚を執り行うことを認める内容だが、宗教団体や個人にこれを強制しないとの条項も盛り込まれた。英国国教会などは法案に強く反対している。