パレスチナ人の獄中死で受刑者らハンスト、米大統領に警告も
エルサレム(CNN) イスラエルの刑務所に収監されたパレスチナ人男性が急死したことに抗議して、イスラエル国内のパレスチナ人受刑者約4500人が24日、一斉にハンストに入った。パレスチナ自治政府はオバマ米大統領に、イスラエルに政治犯釈放を促すよう求めている。
死亡したのは、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ヘブロン出身の男性(30)。2011年に起きたイスラエル側への投石に関与した疑いで18日に拘束され、取り調べを受けていた。パレスチナ自治政府のカラケ政治犯担当相は24日の記者会見で、男性が獄中で拷問を受けた末に死亡したとの見方を示し、国際的な調査を呼び掛けた。
カラケ氏はさらに、来月中東訪問を予定しているオバマ大統領に対し、「平和的な訪問を望むなら、イスラエルにパレスチナ人政治犯の釈放を促すべきだ。さもなければ炎上中のパレスチナを訪れることになるだろう」と警告した。
これに対してイスラエル側は、男性が拘束前から負傷していたと主張。刑務所内で心不全を起こし、医師団が心肺蘇生法を試みたが救命できなかったと述べている。
テルアビブでの検視には、パレスチナ、イスラエル双方の医師らが立ち会った。
イスラエルの刑務所を巡っては最近、10年に獄中で死亡した「囚人X」の謎を取り上げた報道が過熱。同時に、パレスチナ各地で受刑者の処遇に抗議する大規模デモが続発していた。病院関係者によると、西岸地区の刑務所付近で起きたイスラエル警官との衝突でパレスチナ人2人が重体となった。イスラエル当局はパレスチナ側に、デモの鎮圧を求めている。