安倍首相がワシントンで講演 日本の「カムバック」を宣言
(CNN) 訪米した安倍晋三首相は22日、オバマ大統領との会談に続き、ワシントンの米戦略国際問題研究所(CSIS)で講演した。日本はアジアの大国として影響力を回復すると述べ、「カムバック」を宣言した。
安倍首相は講演で、日本は「二級国家」になっていないし、これからもならないと強調。日本は共通のルールや価値観を率先して広める立場にあるべきだと述べた。
日本のカムバック宣言は、新指導部の下で政治的地位の確立を目指す中国から、反発を招くことも考えられる。
首相は、防衛費の増額や尖閣諸島問題にも言及。中国による尖閣諸島の領有権に対する挑戦は「今も将来も容認できない」と断言した。一方で問題をエスカレートさせるつもりはないとの姿勢を示し、「こちら側のドアは中国の指導者に向け常に開いている」と述べた。
中国は22日、安倍首相が米紙ワシントン・ポストとのインタビューで中国が周辺国との衝突を必要としていると語ったとして、強く反発した。これに対して日本側は、首相の発言が正確に引用されていなかったとし、中国が他国との紛争を求めているという発言を首相はしていないと指摘した。
首相の訪米には、民主党政権下で生じた日米関係の揺れを解消するとともに、短命政権続きの不安定なイメージを払拭(ふっしょく)する狙いがある。