違法なスト扇動で中国人のバス運転手に禁錮刑、シンガポール
シンガポール(CNN) シンガポールの裁判所は28日までに、賃金の格差是正や生活環境の改善を求めた違法なストライキを昨年11月下旬に扇動した罪で中国国籍のバス運転手4人に禁錮6~7週間の判決を下した。
裁判官は禁錮刑の内容についてスト扇動を防止するのに必要だったと説明、ストは通勤客の生活に深刻な影響を与える恐れがあったと述べた。また、今回の裁判について外国人労働者の不満を扱う場ではないとの立場も示した。
4人は直ちにチャンギ刑務所に収監された。扇動の主導者とされた被告は7週間、他の3人は6週間の禁錮刑となった。主導者はインターネットで他の運転手にスト決行を中国語で訴え、その手段も教示していたとされる。「中国人のバス運転手の威厳はどこに行ったのか」と問い掛ける内容もあったという。
他の3人はスト扇動の謀議に加わった罪に問われた。4人は当初、裁判で争う構えを見せたが公判日の2週間前に罪を認めていた。別の被告1人も昨年12月に判決を受けた後、国外追放されていた。
シンガポールでは主要な公共サービスなどとみなされる分野でのスト実行には2週間前の通告が義務付けられている。
同国では昨年11月26日、中国人のバス運転手171人がシンガポール人やマレーシア人の運転手と比べ賃金が低く、寮の生活環境は劣悪と主張してストを実行していた。このうち29人は即時の国外退去処分を受けていた。
シンガポール経済は外国人労働者に大きく頼っており、特に建設やサービス業の現業部門での依存度が強い。