シリアのアサド大統領「英首脳は浅はかで未熟」 英外相は「妄想」と反撃
(CNN) 内戦の続くシリアのアサド大統領は3日付の英紙サンデー・タイムズ掲載のインタビューで、英政府が大統領の追放を狙う反政府勢力への武器供与を画策していると非難し、英首脳陣は「浅はかで未熟だ」と痛烈に批判した。一方、ヘイグ英外相は同インタビューを「妄想だ」と切り返し、両国間の言葉の応酬が激しさを増している。
アサド大統領はサンデー・タイムズに対し、英国がシリアの内戦で有益な役割を果たすことはできないと発言。
大統領は「放火魔が消防士になれるとは思えない。率直に言って、英国はこの地域で過去数十年にわたり、様々な問題で非建設的な役割を果たしてきたことで知られている」と言及。英政権について「浅はかで未熟であることが問題だ。美辞麗句を並べても弱者をいたぶる覇権主義の伝統が強調されるだけだ」と痛烈に批判した。
一方、ヘイグ英外相は同日、英BBCの取材に応じ、「近代の国家元首が行ったインタビューの中で、最も妄想にとらわれたものの1つだ」とアサド大統領を批判した。
ヘイグ外相は先ごろ、欧州連合(EU)がシリアに対する武器禁輸措置を一部緩和したことを受け、「歓迎すべき重要な前進だ。情勢が悪化すれば、我々はさらに対応する用意がある」と述べていた。
今月で丸2年となるシリアの内戦は、こう着状態が続いている。アサド大統領は今年初め、事態打開策として国民対話や新憲法の案を示したが、「テロリストとの交渉は拒否する」として反政府側との対決姿勢を崩していない。一方、反政府勢力もアサド政権との直接交渉には応じないとの姿勢を保っている。
国際機関の推計によれば、内戦による死者数は7万人に上る。シリア反体制派の地域調整委員会(LCC)によれば、シリア全土で3日、少なくとも123人が死亡したという。