エジプト各地でデモが続発 米国務長官訪問の首都でも
カイロ(CNN) 政情不安が続くエジプトで2日、デモ隊の暴徒化や治安部隊との衝突が相次いだ。首都カイロでは、ケリー米国務長官の訪問に対して市民らが反米デモを実施した。
北東部ポートサイドでは、昨年サッカー場での騒乱で74人が死亡した事件を巡り、サッカーファンらによる暴力的なデモが発生。事件の被告らを収監先から裁判所へ護送していた警察車両に石を投げ、警察署前に約500人が集まって放火するなどした。治安部隊との衝突で少なくとも10人の負傷者が出た。同事件の裁判では、今月9日に最終的な判決が言い渡される。
同市の住民は1950年代以降の中東戦争で何度も避難を強いられたことに始まり、長年政府への反感を募らせてきた。
また北部マンスーラでは、先週のデモで警察車両にひかれて死亡したとされる男性の葬儀に数千人が集まり、治安部隊と衝突した。
カイロにはこの日、先月就任したばかりのケリー国務長官が到着した。アムル外相との会談を前に、外務省前で数十人が同長官の写真を燃やし、別のグループが同省へ続く橋の通行を妨害するなど、反米デモが展開された。
ケリー長官は3日にムルシ大統領と会談。米政権の支援姿勢を改めて伝えるとともに、政治、経済の安定に向けたエジプト側の努力を促す見通しだ。