「世界最大の商店街」は今やゴーストタウン、不動産バブルのツケ 中国
工業都市の東莞市は人口は1000万人近いが、その大半を占めるのは、ぎりぎりの生活をしている市外から流入してきた労働者だ。こうした立地も問題ではある。
だが、荒廃したモールは、中国の急激な都市化や、無謀で投機的な不動産開発の象徴だ。
香港大学の張維良助教授は、このモールも、資金調達が容易な中で、合理的な事業計画もなしに楽観的・投機的に推し進められた結果「ゴーストタウン化」している多くの住宅用・商業用不動産開発事業の1つだと指摘する。
2007年以降の世界的な金融危機に対応するための景気刺激策として貸出拡大が図られたことが、投機的不動産開発ももたらしてしまったのだ。
しかし、それではなぜ中国経済は今でも、7~8%という堅調な経済成長を維持できているのか。
開発途上国を専門とするコンサルティング会社経営のジョナサン・アンダーソン氏は、2月の調査報告書の中で、景気刺激策がもたらした貸出ブームの中で、無謀な計画の下、多くの「死の街」が生み出されたのは事実だが、中国経済全体への影響はほとんどないと指摘している。