新しい最高指導者、習近平氏 待ち受ける難問の数々は
(CNN) 3月中旬に行われた中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で新国家主席に選出された習近平(シーチンピン)氏(59)は、共産党・国家・軍のトップとして名実ともに中国の最高指導者となった。
習氏の国家主席就任で、10年にわたり中国を統治した70歳の胡錦濤(フーチンタオ)前主席から、昨年11月の共産党総書記への就任により最高指導者となることが事実上決まっていた習氏への権力移譲は完了した。
専門家からは、習主席について、江沢民(チアンツォーミン)元主席や胡氏とは異なり、実力者だった故トウ小平氏に抜擢されたわけではないために力の弱いリーダーであり、江・胡両氏の影響力が残る中では権力基盤固めには2、3年はかかるだろうとの声が出ている。
しかし、この見方は、胡氏から党トップの総書記と軍トップの党中央軍事委員会主席の座を譲り受けた昨年11月の党大会以降、変化の予感とともに覆されつつあるようだ。
習氏は全人代の閉幕式の演説で、一般大衆の声に耳を傾けつつ中華民族の偉大な復興に全力を尽くすことを誓った。
習氏が総書記就任直後の初の地方視察の地として、毛沢東思想や革命の聖地ではなく、広東省深センを訪問したのは象徴的だった。