悪名高い「ギャング」が大脱獄、人質を取りドア爆破 仏
(CNN) アクション映画をまねた服装で装甲車を襲うなど1990年代にフランスを中心に欧州で人目を引く犯罪を繰り返した受刑者が13日、仏北部リールの刑務所から脱走した。トビラ司法相によると、欧州26カ国に指名手配され、国際刑事警察機構(インターポール)も行方を追っている。
脱獄したのはルドワン・ファイド受刑者。刑務所関係者がCNN系列局に語ったところによると、同受刑者は刑務所の看守4人を含む5人を銃で脅して人質に取り、5カ所のドアを爆破して逃走。そのまま行方が分からなくなっている。人質の看守らは無事だった。
ファイド受刑者は98年、スイスなどで3年間逃亡生活を送った末に拘束され、禁錮20年の刑を言い渡された。重警備の刑務所を10年間余り転々とした後釈放され、2010年にはこそ泥から大規模な組織犯罪を犯すに至った自身の半生を振り返る著書を出版した。
「大物ギャング」としてメディアのインタビューにもたびたび登場したが、11年に再び収監された。担当弁護士によると、10年5月にパリ東郊で女性警官1人が死亡した事件に絡み、近く裁判にかけられることになっていた。
収監中に銃や爆発物をどのように入手したのかは不明。同刑務所は受刑者を監視しにくい構造だったとの指摘もある。