台湾で初の鳥インフル感染例、中国渡航の男性 容体深刻
(CNN) 中国の鳥インフルエンザ(H7N9)感染の問題で、台湾の疾病対策当局は24日、53歳の台湾人男性の感染が確認されたと発表した。容体は深刻としている。
台湾での感染確認は初めて。男性は仕事の関係で中国東部の江蘇省と台湾の間の往来を繰り返しており、中国で感染したとみている。
台湾の疾病対策当局によると、男性は同省蘇州に滞在中、鳥類や家禽(かきん)類と接触していなかった。火が十分に通っていない家禽類や卵も口にしなかったという。
台湾の衛生当局は、中国本土などから到着する旅行客を対象に感染検査を実施している。
一方、中国国家衛生・計画出産委員会によると、H7N9型の感染者は108人、死者は22人に増えた。浙江省で新たに犠牲者が出た。
世界保健機関(WHO)のケイジ・フクダ事務局長補は24日、北京で記者会見し、H7N9型ウイルスは医学界がここ数年で直面した最も致死性が高いウイルスと指摘。H5N1型と比べ、家禽類から人間への感染がより容易と警告した。
H5N1型の鳥インフルエンザは2004~07年に中国などで流行し、332人が犠牲となった。事務局長補は、H7N9型ウイルスの人から人への感染が一定に進んでいる証拠はないとしながらも、限定的な人から人への感染が将来起きても驚きではないと述べた。
また、WHOに協力する研究所幹部は上海で生きた家禽類の市場が4月6日に閉鎖された後、感染者数の増加が激減した事実は勇気づけられる材料と表明。この種の市場閉鎖が感染拡大を阻止する有効手段であることを見せ付けたと述べた。