混迷の伊政局、大統領が中道左派指導者を新首相に指名
ローマ(CNN) 今年2月の総選挙後、与野党間の角逐を受け新政権の不在が続くイタリア政局で、異例の続投が決まったナポリターノ大統領は24日、中道左派の民主党に属するエンリコ・レッタ元副首相(46)を新首相に指名し、組閣を命じた。
元副首相は大統領と会談後に記者会見し、各党や政治会派と25日に協議した後、大統領と会い、新政権発足の責務に応じる考えを伝えると述べた。レッタ氏は23日、大統領と会談した。首相就任の要請は24日朝とし、驚いたとしながらも強い責任感を持って試練に挑むと語った。
レッタ氏による連立政権交渉の行方は不透明だが、政治危機の収束につながるとの期待感も出ている。
80代後半の高齢ながらも政治危機を受けて異例の続投が決まったナポリターノ大統領はレッタ氏の首班指名について新政権発足への道筋が最終的に出来たと主張。議会両院で多数派を確保しての「大連立政権」樹立こそが唯一の方途であると述べた。民主党と第2党の中道右派連合との連立政権を念頭に置いた発言とみられる。
レッタ氏は新政権が直面する最大の課題は特に若年層を直撃する失業率の解消と指摘。政治改革の実現をその次の懸案とした。現在の政治危機を打開するためには最大規模の支持勢力をもって議員数の削減や選挙制度の改革が必要と強調した。
また、今回の政治危機につながった財政危機打開のため欧州連合(EU)が突き付けた緊縮政策については修正が必要との認識を示した。
2月の総選挙では右派、左派、市民政党の勢力がきっ抗して連立交渉がとん挫し、新政権が発足しない異例の事態が続いていた。