各地で爆弾事件、死者50人以上 宗派対立再燃のイラク
バグダッド(CNN) イスラム教シーア派とスンニ派の対立が再燃しているイラクで20日、爆弾事件が続発し、合わせて50人以上が死亡した。
同国ではマリキ政権を主導する多数派のイスラム教シーア派と少数派スンニ派との間で緊張が高まり、数年前のような対立激化が懸念されている。マリキ首相は、モスク(イスラム礼拝所)などを攻撃する勢力は「双方の敵」だと強調し、「以前のように宗派間の抗争をあおろうと企んでいる」と非難してきた。
20日に起きた爆発の多くはシーア派を狙った攻撃とみられる。首都バグダッドではシーア派住民の多い地区で車に仕掛けられた爆弾8個、路上爆弾1個が爆発し、少なくとも18人が死亡、100人以上が負傷した。
北部サマラ近郊の高速道路では、イランから訪れていたシーア派巡礼者のバスで爆発が起き、少なくとも14人が死亡、8人が負傷した。
シーア派の拠点、南部バスラでも2カ所で車爆弾が爆発し、民間人ら少なくとも9人が死亡、37人が負傷した。
バグダッド南郊ヒッラではシーア派モスクの前で爆発があり、少なくとも9人が死亡、53人が負傷。
さらに、スンニ派住民の多い西部ハディサの警察施設2カ所が武装グループに襲われ、警官8人が死亡した。