「中国の夢」は誰の夢? 習主席と国民が見ているものは
貧困の撲滅
習主席にとっての「中国の夢」とは、経済成長の継続だ。
過去30年間で約6億人が貧困層から抜け出せた中国だが、経済の急成長継続のためには、輸出主導型から国内消費主導型への経済の転換が必要だ。しかし、それは簡単なことではない。
米金融大手JPモルガン・チェースで中国担当マネジングディレクターなどを務めるジン・ウリック氏は、インフラや工場の建設、不動産開発などに頼り続けることはできず、サービス業主導型の経済に転換しなければならないと語る。
しかし、上昇志向の強い消費者は中国にも溢れているが、貯蓄が減り消費が増加するためには、将来に対する不安が減らなければならないとウリック氏は付け加えた。
汚職問題
社会保障面でのセーフティーネットの強化以外にも、大気汚染の解消や蔓延(まんえん)する汚職の撲滅など、中国政府には課題が山積している。