デモ参加者30万人に、大統領の訪日延期 ブラジル
(CNN) ブラジルで約2週間にわたって続いている政府に対する抗議デモは20日、リオデジャネイロ中心部の教会前に集まったデモ隊が、警察発表で30万人に膨れ上がった。一部地域では衝突も発生し、警察が催涙ガスを使ったと報じられている。
国営メディアは同日、デモを受けて同国のルセフ大統領が23~28日に予定していた訪日を延期したと伝えた。
リオデジャネイロ中心部にあるカンデラリア教会前に集まったデモ隊は、「腐敗撲滅」「ワールドカップ(W杯)なしでも生きていける」などとシュプレヒコール。「スタジアム10個と引き換えに1つのまともな病院を」「W杯よりも教育の充実を」などと書かれた横断幕も目立った。
主催者側は参加者に対し、平静なデモ行進を行うよう呼びかけている。
今回のデモは、バス運賃の値上げに対する抗議運動を発端としてリオとサンパウロ、ブラジリアに広がった。これを受けて、サンパウロとリオデジャネイロは運賃の値上げを撤回すると表明。それでもデモは収束していない。
デモ参加者は、政府が2014年のサッカーワールドカップ(W杯)や16年の五輪のために多額を投じる一方で、国民の税負担は重く、医療や教育といった制度も行き届いていないとして不満を募らせている。