シンガポールで煙害拡大、97年以降最悪 隣国の森林火災で
(CNN) 都市国家シンガポールの環境保護行政当局などは19日、隣国インドネシアでの森林火災による煙霧被害が広がり、大気汚染指数が同日、1997年以降では最悪水準の数値を記録したと発表した。
地元紙ストレーツ・タイムズによると、大気汚染指数は19日に173を記録。226を観測した1997年以降、最悪となった。環境保護行政当局は指数が200を超えた場合の大気汚染は極めて不健康な水準と規定している。
シンガポールの人口は530万人。煙害被害を受け中心部のビジネス街ではマスクやハンカチを使って口元などを隠す住民の姿が見られた。
森林火災はインドネシア西部スマトラ島での違法な野焼きなどが原因で、煙霧はマラッカ海峡を越えてシンガポールに流れ込んでいる。煙害は今週初めから始まっていた。
森林火災は依然続いており、シンガポールの煙害は今後数日間解消されないとも予測した。
シンガポールのビビアン・バラクリシュナン環境・水資源相は、煙害の原因となっている事業に関与する企業への経済的圧力を求めたいと主張。インドネシアでヤシ油農園開発のための土地開墾に当たる企業にはシンガポールとマレーシアのヤシ油企業が投資しているとされる。
同相は交流サイト「フェイスブック」上で、インドネシアのバルタサル・カンブアヤ環境相と接触した際、火災発生に関与する企業名を明示したと指摘した。
今回のような煙霧の悪化は過去にもあり、1997年には推定90億米ドルともされる医療コスト負担の他、航空便やビジネス活動の支障も強いられる被害が出ていた。