中国は「世界最大の電子機器の廃棄場」、環境汚染も深刻
町の外にも廃棄物の山は広がっていた。水牛が草を食べる水辺にはたくさんの電子部品が転がっている。牛が踏みつけているのはビデオモニターから外された板ガラスだ。フラットスクリーンにはたいてい非常に毒性の高い水銀が使われている。
貴嶼鎮で電子廃棄物を処理している人の多くは貧しい地域からやってきた移民で、ほとんど教育を受けていない。彼らの多くは廃棄物処理に伴う被害について、その危険性を甘く見ているようだ。
ルーとだけ名乗った女性は、リサイクル業について「もちろん、健康的ではない」としながらも、「しかし、何世代にもわたりここに住んでいる家族がいるし、そうした人たちの健康への影響は小さい」と付け加えた。移住労働者の中には、作業はつらいが、規則の厳しい工場の生産ラインで働くよりも、ここでの作業のほうが自由がきくと話すものもいた。
貴嶼鎮の環境汚染については、以前よりも良くなっていると考えているものも多い。
ワンという男性は「2007年に初めてここに来たときは、ごみの山だった。金属を洗浄したり、物を焼いたりするせいで肺が深刻なダメージを受けていた。しかし、今は、以前と比べれば、当局がかなり厳しく取り締まりを行っている」と語った。