今も冷戦時代? 兵器から見えるキューバと北朝鮮の現状
軍事情報大手IHSジェーンズの専門家ジェームズ・オハロラン氏は、「現代の西側のパイロットにSA2が命中することはあり得ない。もし当たったとすれば、とてつもなく愚かだったか、非常に運が悪かったかのどちらかだ。近代国家ならこれを持っているところを見られたいとは思わない」と話す。
しかし専門家によれば、北朝鮮やキューバは近代国家とはみなせない。長年の制裁や禁輸措置のために、新しい兵器を調達できる場がほとんどなく、何十年も前に使用されなくなったSA2のようなシステムや、1985年で製造が打ち切られたミグ21のような戦闘機を修理するほかなかったとみられる。
今回見つかった兵器は、北朝鮮船に積まれていた1万トンあまりの砂糖の袋の間に隠されていた。
船員がパナマ当局に抵抗して積み荷を降ろすためのクレーンのケーブルを切断したため、当局は25万5000袋を手作業で積み下ろす作業を強いられている。
砂糖はキューバから北朝鮮への兵器修理の対価だった可能性もあると専門家はみる。
英国際戦略研究所(IISS)のマイク・エルマン氏は「今回の騒ぎは結局、冷戦初期の物資と砂糖をバーター交換している現在のキューバと北朝鮮が、いかにひどい状態にあるかを世界に見せつけただけかもしれない」とコメントしている。