福島第一原発 米専門家が語る現状と対策
「急ごしらえのタンクが何年かたってだめになるという流れは、東電の場当たり的な対応を象徴している」とフリードランダー氏は語る。
同氏は「当時の状況を考えればほかに選択肢はなかった。その点で東電を責めようとは思わない」と話す一方、「毎日400トンの水をあてもなくくみ上げ続けるわけにはいかない。東電の対応には持続性がない」と指摘する。
タンクからの水漏れとは別に、東電は7月、建屋に流れ込んで汚染された地下水が海へ流出していることを認めた。東電は流出を防ぐため地中に遮水壁を設置したが、それでは食い止められないことが分かった。
漏れている汚染水の放射線量について、フリードランダー氏は「周辺地域や東京に危険が及ぶレベルかといえば、正直言って答えはノーだ。一方で再び地震が起きてタンクのひとつが破裂でもした場合、大変な事態になることは確かだ」と話す。
さらに現場では作業員の被ばくリスクも懸念される。