「核の居場所はない」 イラン大統領が対話姿勢を強調
ニューヨーク(CNN) イランのロハニ大統領は24日に国連総会で演説し、同国の国家安全保障に核兵器の存在する場はないと言明、核を巡る対話に入る用意があると表明した。
演説の中でロハニ大統領は、「相互に信頼を築き、相互の不安を払拭するため、期限を定めた結果指向の対話に直ちに入る」用意があると表明。「核兵器などの大量破壊兵器は、イランの安全保障や国防政策に存在する場はなく、我々の宗教的、倫理的信条にも反する」と語った。
国際社会の対イラン制裁については、「交戦状態、戦争の商業利用、人的苦痛を発生させている」と非難。「イランは問題を発生させることではなく、解決することを模索している」と強調している。
同大統領はさらに、世界には「新しい希望」があると述べ、「世界中が平和を肯定して戦争を否定する希望、そして紛争よりも対話を望む希望、過激主義よりも穏健主義を求める希望」に言及。「米国との緊張が増すことを望まない」と言明し、米国が「戦争を商業利用しようとする圧力団体の目先の利益に従うことを自制する」よう望むと牽制(けんせい)した。
この日の総会ではオバマ米大統領も演説に立ち、米国はイランによる核兵器の開発を阻止すると力説、「大量破壊兵器の開発や使用は容認しない」と述べている。
一方でオバマ大統領は、イランが兵器の製造を伴わない核の平和利用について国際社会との対話に前向きな姿勢を示したことを評価。「我々は政権の変更は要求せず、イラン国民が核エネルギーを平和的に利用する権利を尊重する」「それと引き換えにイラン政府に対しては、核不拡散条約と国連安全保障理事会の決議に従って責務を果たすことを求める」と訴えた。