タリバーン指導者の殺害、和平交渉に影響か パキスタン
(CNN) パキスタンの反政府武装勢力パキスタン・タリバーン運動(TTP)の最高指導者ハキムラ・メスード司令官が米軍無人機によるとみられる攻撃で死亡したことを受け、同国では報復攻撃や和平交渉への影響を懸念する声が上がっている。
パキスタン外務省は2日、米国の駐パキスタン大使を呼んだ。理由は公表されていない。米国務省当局者も匿名でこれを認めたが、詳細は明らかにしなかった。パキスタンのラシッド情報相は米軍による無人機攻撃を批判する一方、同国政府がTTPとの間で進めている和平交渉に同司令官の死が影響することはないと強調した。
タリバーンの情報筋によると、司令官の遺体は損傷が激しく、当日夜のうちに埋葬された。同情報筋によると、TTPは新たな指導者を選ぶための会合を2日に開催。TTPの内部事情に詳しいジャーナリストは、同国北西部部族地域の南ワジリスタン出身でカシミール地方やアフガニスタンでの戦闘に参加している人物(33)が内定したと話している。
アフガニスタンのタリバーンは2日、ウェブサイトでの声明で無人機攻撃を「卑怯(ひきょう)で野蛮」な行為と非難した。タリバーンの一派で米政府がテロ組織に指定するハッカニ・ネットワークの報道官は、数日以内に報復すると宣言している。
パキスタン北西部の都市ペシャワルでは、TTPから激しい反撃があるとの懸念から警官や治安部隊による警備態勢を強化している。