パキスタンのタリバーン指導者、米無人機攻撃で死亡か
(CNN) パキスタンのイスラム武装勢力「パキスタン・タリバーン運動」(TTP)の指導者ハキムラ・メスード司令官が1日、パキスタン北東部で米国の無人偵察機による攻撃で死亡した。米国とパキスタンの当局者が明らかにした。
現場は、タリバンの拠点があるアフガニスタンとの国境付近のワジリスタン地区で、パキスタンの情報筋によると、この攻撃でメスード司令官以外に3人が死亡したという。
パキスタン政府は同国の外務省を通じて、ワジリスタン地区における「米国の無人偵察機による攻撃を強く非難する」との声明を出した。ただ声明にはメスード司令官についての言及がなく、パキスタンの外務省が声明を出した時にメスード司令官が死亡したことを知っていたか否かは定かではない。
メスード司令官は2009年にTTPの指導者となった。同司令官が無人偵察機による攻撃で死亡したと報じられたのは今回が初めてではない。2010年2月にも、その1カ月前にパキスタンで行われた無人偵察機による攻撃で死亡したと複数の情報筋が伝えた。しかし、同年4月にメスード司令官がまだ生きていると報じられ、5月には同容疑者が米国主要都市への攻撃を誓うビデオが公開された。
TTPは長年、パキスタンで反政府運動を展開しており、2009年12月にはアフガニスタンのホースト州にある米中央情報局(CIA)のチャップマン基地で発生した自爆テロについて犯行声明を出した。この自爆テロでCIAの職員5人を含む7人の米国市民が死亡した。
米司法省は2010年夏にこの自爆テロに関与した容疑でメスード司令官を起訴し、逮捕につながる情報に対して500万ドルの懸賞金をかけた。