仏当局、アラファト氏の毒殺説否定 夫人は反論
パリ(CNN) 2004年に死去したパレスチナ自治政府のアラファト前議長の死因を巡り、フランス当局の専門家チームが毒殺説を否定、自然死だったとの結論を出した。スーハ・アラファト夫人は「自然死ではない」と反論している。
仏チームの鑑定結果は発表前の時点で外部に漏れ、複数の仏メディアやロイター通信が伝えた。アラファト氏の死を巡っては、スイスの研究機関が先月、掘り起こされた遺体の組織などを調べた結果、放射性物質のポロニウム210が検出されたと発表していた。
スーハ夫人は3日、パリでの記者会見で「何かが間違っている」と断言。フランスとスイスのチームは専門分野が違うとして、スイスでの鑑定結果を仏当局にも開示すべきだと主張した。
アラファト氏は脳出血で昏睡(こんすい)状態に陥り、04年11月にパリの軍病院で死亡した。パレスチナ当局者らはその数日前、アラファト氏は血液の病気だが白血病ではなく、消化器にも異常があると述べていた。親族によれば、病院の記録に死因は記載されていない。毒殺説は当時からささやかれたが、パレスチナ当局はこれを否定していた。