ウクライナで衝突 死者25人、負傷者240人に
(CNN) ウクライナのヤヌコビッチ政権に抗議するデモ隊と警察の衝突による死者は、19日までに25人に達した。保健当局によると240人以上が負傷して病院へ運ばれた。
18日から激しい衝突が起きた首都キエフの独立広場では、19日朝になっても炎や煙が立ち上り、デモ隊が戦闘態勢を強化していた。
死者の中には報道関係者1人と政府職員1人も含まれている。ウクライナ紙の記者は18日夜、乗っていたタクシーが覆面のグループに襲われ、銃撃を受けて負傷。19日に死亡した。犯行グループは迷彩服を着用し、火炎瓶を投げていたという。同紙によると、複数の同乗者も暴力を受けた。
ヤヌコビッチ大統領は18日夜、野党指導者で元ボクシング世界王者のビタリ・クリチコ氏と会談したが、どちらが先に戦闘をやめるかという口論に終始したとみられる。クリチコ氏は会談後、記者団に「議論が成立しなかった」と語った。
大統領は19日の声明で、流血の責任はすべて反政府側にあると主張。野党勢力には「流血と衝突をあおる過激派と縁を切らなければ加担者とみなされ、相応の報いを受けるだろう」と警告した。
しかし野党指導者らは「反政府派は被害者だ」と反論し、大統領と真っ向から対立している。与党本部がデモ隊に放火される一方で、19日朝には野党本部からも煙が上った。
米国のバイデン副大統領とケリー国務長官が政権側に戦闘停止を求めたのに対し、ロシアの国営RIAノーボスチ通信は「米国による主権国家へ干渉」を非難する論説を掲載した。