香港紙の元編集長が襲われ重体
香港(CNN) 香港の有力紙「明報」の元編集長、劉進図氏が26日朝、何者かに複数回刺され病院に搬送された。同氏は負傷して重体。
劉氏の妻によれば、劉氏は車に向かって歩いているところを襲われ、傷は肺にまで達していたという。警察によれば、犯人は別の男の運転するバイクに乗ってバイクに乗って逃走した。
明報は中国に批判的な記事を掲載することで知られていたが、劉氏は1月、同紙の編集長の職を突然、解かれた。これに対して編集部員から説明を求める要望が出されたり、一部の記者がコラムを空白で出稿して抗議の意思表示をする騒ぎとなった。
香港では23日、中国共産党が香港メディアへの統制を急速に強めているとして抗議する大規模なデモが行われたばかり。デモに参加した劉氏の元同僚たちは、劉氏の更迭は報道機関を抑圧する流れの表れだと述べた。
香港でメディアが暴力事件の標的になった事例はこれが初めてではない。昨年6月には刃物を持った男たちが、政府に批判的な有力紙、蘋果日報の従業員を脅して放火、新聞2万部を燃やすという事件が起きている。
香港政府の梁振英行政長官は26日声明を出し、劉氏襲撃事件への憤りの意を示すをとともに「香港は法治社会であり、この種の暴力を許すわけにはいかない」と述べた。