シリアで毒ガス使用か、政府と反体制派が互いを非難
(CNN) 内戦下にあるシリア北西部にあるハマ、イドリブ両県の町や村落で毒ガス使用による死傷者が出たとの情報があり、アサド政権と反体制派が共に相手方の責任を非難している。
反体制派「地域調整委員会」は、ハマ県北部のカファル・ゼイタ町で11日、塩素ガスを用いた攻撃が発生、6人が死亡したと報告した。負傷者は数十人としている。同町は反体制派武装組織の拠点。
別の反体制派組織「シリア人権監視機構」は政府軍のヘリコプターが同町に火薬など詰めた「たる爆弾」を投下。反体制派の戦闘員は毒ガスの使用も合わせて報告したという。
ハマ県の反体制派活動家の組織によると、カファル・ゼイタ町への塩素ガス攻撃は12日にも発生、少なくとも50人の民間人に病状が出ている。インターネット上には、子どもを含む多数の同町住民が窒息や中毒の症状にあるとするビデオ画像も流れた。
一方、シリアの国営テレビは12日、反体制派のアルカイダ系過激派「ヌスラ戦線」が両県の2カ所の地区で塩素もしくはサリンガスによる攻撃を準備していたと報じた。標的とする両地区には反体制派が包囲する政府軍基地などがある。
反体制派は13日、反体制派が押さえるイドリブ県南部にある村が政府軍の攻撃を受け、呼吸困難に陥った住民が手当てを受けているとするビデオ画像も公表した。使用されたとみられる化学物質の種類は不明としている。
これらビデオ画像の真偽は明らかでない。アサド政権は国際メディアによる国内取材を規制している。