韓国沈没船船長が釈明会見 高校教頭は自殺
韓国・珍島(CNN) 韓国南西部、珍島(チンド)沖で旅客船「セウォル号」が沈没し、29人が死亡、270人以上が行方不明になっている事故で、乗客の救助を怠ったとして特定犯罪加重処罰法違反などの罪に問われている同船のイ・ジュンソク船長が19日朝、法廷審問の後、記者会見に応じた。韓国メディアが伝えた。
船長は、船が沈む中、乗客に避難を待つよう指示したことについて、「潮流が速く、水温も冷たかった。救助船もなかったので、乗客に船内にとどまり、救助ボートの到着を待つよう指示した」と釈明した。
国営メディアによると、イ船長は、船の放棄、業務上過失傷害のほか、他の船の救助を求めなかったこと、「船員法」違反などの罪に問われているという。有罪となれば、懲役5年から無期懲役が言い渡される。
イ船長逮捕のニュースが流れる中、現場では潜水士らによる夜を徹した救出活動が行われた。船内には数百人が取り残されていると見られているが、18日昼ごろ、海面上に出ていた青と白の船首部分も完全に水没した。韓国沿岸警備隊によると、作業員が船体に空気を注入し続けたが、水没を食い止めることはできなかったという。
それでも潜水士らが船体の壁を破り、2人の潜水士が貨物デッキ内に入ったが、海が荒く、すぐに脱出を余儀なくされた。19日の捜索活動で、3遺体が発見されたが、遺体回収には至っていない。
また韓国の警察によると、事故当時、300人以上の生徒とともにセウォル号に乗っていて、事故後に救出された安山市檀園高校の教頭(52)が首をつって死亡しているのが発見された。教頭は、行方不明者の親族らが宿泊している珍島の体育館近くの木で、自分のベルトで首をつったと見られる。