戒厳令のタイ、軍が対立各派の会合開催
タイ・バンコク(CNN) 全土に戒厳令が発令されたタイで、軍が21日、政治的対立を続ける各派の幹部らを集めて首都バンコク市内の軍の施設で会合を開いた。
タイでは政治的混乱が続いて首都機能の一部がまひ状態となり、インラック前首相が失職する事態に発展。こうした中で陸軍が20日、ニワットタムロン首相代行にも通告しないまま戒厳令を発令した。
首都バンコクでは主要地点やテレビ局前に軍が配備され、軍は同国の全テレビ局とラジオ局に対し、必要がある場合は通常の番組を中断しなければならないと通告した。
ただ、日常生活に大きな混乱や支障は出ておらず、21日までには市内に配備されていた軍の一部が撤収した。
21日の会合には、選挙管理委員会幹部や上院議長代行、与党タイ貢献党と野党民主党の幹部、政府支持派と反対派の指導者らが出席した。
インラック前首相派に対する抗議デモを支援してきたバンコクのエリート層と、北部や北東部を支持基盤とする政府支持の赤シャツ派が対立を続ける中、陸軍のプラユット司令官は「このまま(衝突を)続けさせるわけにはいかない」と述べ、双方を仲介する立場に身を置いている。