エジプト、国内にはびこるセクハラ処罰の新法承認 史上初
(CNN) エジプトのマンスール暫定大統領は7日までに、性的な嫌がらせ行為を処罰する新たな法案を承認した。同国でこの種の法律は初めて。国内にまん延するとされるセクシュアルハラスメントに歯止めを掛けるのが狙い。
大統領府の声明によると、違反者には最大で禁錮5年と最高5万エジプトポンド(約71万6000円)の罰金を科す。最新の通信機器の利用など含め、性的もしくはみだらな方法で接近することを違法行為と規定。
悪質な要因が見られなかった場合の違反行為には少なくとも6カ月の禁錮刑が下される。性的行為の提供を得る意図が明らかな場合の嫌がらせに対しては最少で1年の禁錮刑を想定。社会や職業などでの地位の権限を悪用して被害を強いた場合の最少の禁錮刑は2年となる。
国連が2013年に発表した報告書によると、エジプトでは女性の99.3%が何らかのセクハラ被害を受けていることが判明していた。
同国のセクハラ対策団体の幹部は、今回の新法を歓迎しながらも、嫌がらせ行為の目撃者の保護、罰則を命じる司法の決定権や集団暴行の防止策などの面でまだ不備や懸念があると指摘。当局が新法の効力を実際に駆使するのかを見極めるには時間が必要と述べた。
エジプトでは先月、大統領選が行われ、シーシ前国防相が当選した。マンスール氏は昨年7月、軍部のクーデターでムルシ前大統領が追われた後、暫定大統領に就任していた。